幻想的な場所・・・大台ヶ原の森~奈良県上北山村3
山頂からは東に熊野灘と志摩半島、西に山岳信仰で早くから開けた大峰連峰が遠望できる。
となりの大峰が1200年も前に開けたのに比べて、大台ヶ原はまだ100年程度。
ここに長く人が入らなかったわけは、「一本たたら」という妖怪を恐れたから。
その正体は雨。
森に入った多くの村人たちが、雨や霧に道を失って帰ってこなかったからなのだ。
山頂をあとに下っていき、藤木峠に着くと、ミヤコザサの平原にたくさんのトウヒが立ち枯れて白い幹をさらしている。
かつては大台ヶ原全体がコケに覆われた深いトウヒの森だったのに、伊勢湾台風など昭和30年代の大きな台風で木が倒れ、日が差しこむようになったことで林床のコケが衰退し、代わりにミヤコザサが繁茂するようになった。
するとこれが好物のシカがふえ、トウヒの樹皮までを食べるためにトウヒはどんどん立ち枯れていったのだという。